歯ぎしりで睡眠の質が低下?睡眠時ブラキシズムのリスクと対策

こんにちは。
小田原歯科診療所、院長の伊藤です。
3月18日は、睡眠の重要性を見直す「春の睡眠の日」です。実は、日本には春と秋に「睡眠の日」があります。
「春眠暁を覚えず」という言葉のように心地よく眠りたい季節ですが、「しっかり寝たはずなのに、疲れがとれない」「首や肩が重い」といった経験はありませんか?もしかしたら、その不調の原因は、睡眠中に無意識に行なっている「歯ぎしり」かもしれません。
今回は「春の睡眠の日」にちなんで、睡眠中の歯ぎしりが引き起こすさまざまなリスクについてお話しします。
寝ても疲れがとれない原因は、歯ぎしりのせい?
睡眠中に行う歯ぎしりのことを「睡眠時ブラキシズム」といいます。本人が気付かないうちに体へ悪影響が出ることもあり、睡眠の質が低下するケースも少なくありません。
睡眠時ブラキシズムの種類
睡眠時ブラキシズムには、大きく分けて3つの種類があります。
- グライディング:ぎりぎりと上下の歯をこすり合わせる歯ぎしり
- タッピング:カチカチと上下の歯を連続的にかみ合わせる歯ぎしり
- クレンチング:歯を強く噛みしめる歯ぎしり
睡眠時ブラキシズムの原因
睡眠時ブラキシズムの原因は、複数の因子が関係している「多因子性」といわれています。ストレスや性格・遺伝・服薬・飲酒・喫煙・特定の疾患(中枢神経系の障害や睡眠呼吸障害)など、さまざまな因子が関与していることが報告されています。(テーマパーク8020の記事より抜粋)
睡眠時ブラキシズムが引き起こす健康へのリスク
睡眠時ブラキシズムを放置すると次のような健康リスクを引き起こすことがあります。
【1】歯の摩耗・欠損
日中は、強い力で噛んでも歯が傷まないように無意識に力が調整されますが、睡眠中は、歯をくいしばる力をコントロールできません。
くいしばりや歯ぎしりが続くと、歯が欠けたり、すり減ったりすることがあります。歯の表面のエナメル質が削れると、その内側の弱い部分がむき出しになり、虫歯になりやすくなります。
【2】詰め物が欠ける
くいしばりなどで強い力がかかると、治療した歯の詰め物が欠けてしまうことがあります。詰め物が欠けたところから、虫歯の再発が起きる場合もあります。
【3】顎関節症を誘発
歯だけでなく、顎にも強い力がかかり、顎関節症を誘発することがあります。顎関節症になると、硬い食べ物や大きく口を開けて食べる必要がある食べ物が食べづらくなることがあります。
【4】歯周病の発症
歯と歯ぐきの間にすき間が生じ、そこに歯垢がたまりやすくなります。これにより、細菌が増殖し、歯周病の発症につながる場合があります。
【5】歯のすき間が広がる
くいしばりによる負荷で歯や顎の骨が割れないように、歯と歯のすき間が広がっていくことがあります。広がったすき間から虫歯になることもあります。
【6】肩や首の痛み
歯ぎしりが原因で、寝ている間に首や肩へ強い力がかかり、筋肉が緊張してこわばります。その結果、こりや痛みにつながる場合があります。
睡眠時ブラキシズムの対策
歯や顎への負担を軽くするために、歯科医院では次のような対策をおすすめしています。
【1】マウスピースで歯や顎を守る
歯科医院でご自身の歯型に合わせたマウスピース(ナイトガード)を作成し、就寝中に装着する方法が推奨されています。マウスピースがクッションの役割を果たし、歯や顎に加え、首や肩などにかかる負担を軽減します。
【2】かみ合わせを整える
かみ合わせの悪さが原因の場合は、矯正治療などで根本的な改善を目指すことも検討されます。
【3】ストレスとの付き合い方を見直す
ストレスは歯ぎしりの大きな原因といわれています。そこで、スポーツや趣味など、自分に合った方法でストレスを解消することも有効です。
まとめ
今回は、睡眠中の歯ぎしり(睡眠時ブラキシズム)についてお話ししました。
歯ぎしりは、歯の摩耗や詰め物の破損だけでなく、顎関節症や肩・首の痛みを引き起こすこともあります。自覚症状がなくても、歯科医師がお口の中をチェックすると、歯の摩耗など歯ぎしりの痕跡が見つかる場合があります。将来のトラブルを防ぐうえでも、定期的な検診を心掛けることをおすすめします。
まずは歯科検診で、ご自身のお口の状態を正確に知ることから始めてみましょう。

