知っておきたい!歯科のフッ素とフライパンのフッ素加工の違い

こんにちは。
小田原歯科診療所、院長の伊藤です。
「フッ素(フッ化物)入り歯みがき剤が良いって聞くけど、どんな効果があるの?」「フライパンのフッ素加工と何が違うの?」など、フッ素に関する疑問をお持ちではありませんか?
今回は、フッ素の種類や働き、虫歯予防効果をわかりやすくお話しします。
フッ素とは?
フッ素(F)は、自然界に存在する元素の一つで、お茶や魚介類など多くの食品にも含まれています。
虫歯予防のフッ素とフライパンのフッ素加工は同じ?
このような疑問を持ったことがある方もいるかもしれません。実は、これらはまったく異なるものです。
フライパンの焦げ付き防止に使われているフッ素は、フッ素と炭素が結合した「有機フッ素化合物」の一種である「フッ素樹脂(PTFE)」です。フッ素加工は、フッ素樹脂の粉末を水と混ぜてフライパン表面に塗り、高温で焼き付けてコーティングを形成します。(※AGC「みんなのフッ素講座」より)
一方、歯の治療に使われるフッ素(フッ化ナトリウム(NaF)など)は、フッ素が炭素以外の元素と結合した「無機フッ素化合物」です。歯科医院では「フッ化物」または「フッ素化合物」と呼んでいます。
虫歯予防に効果的!歯科医院のフッ素塗布とは?
歯科医院で行う虫歯予防処置の一つに、フッ素塗布があります。高濃度のフッ素を歯の表面に塗布することで、虫歯になりにくくします。
フッ素塗布のメリット
フッ素塗布には、次の3つの効果が期待できます。
- 歯質強化:歯の表面のエナメル質を強化し、酸に強い歯にして虫歯の発生や進行を防ぎます。
- 再石灰化促進:再石灰化(酸により歯から溶け出したカルシウムやリンを補うこと)を促進します。ごく初期の虫歯であれば修復することができます。
- 虫歯菌の活動抑制:虫歯菌の活動を抑制し、糖を分解して作り出される酸の産生を抑え、虫歯の発生を防ぎます。
当院のフッ素塗布について
当院では、1歳半頃からフッ素塗布を実施しています。子どもの歯は、大人に比べてエナメル質が薄く虫歯になりやすいので、定期的な処置で虫歯から守りましょう。
大人の方のフッ素塗布も行なっています。特に知覚過敏の症状がある方におすすめです。ご希望の方は定期検診のご予約時にお申し付けください。
毎日の歯みがきにもフッ素をプラス
フッ素塗布は、フライパンのようにコーティングするものではないため、毎日の歯みがきも大切です。フッ素入りの歯みがき剤や洗口液を使用することで、虫歯予防の効果をさらに高めることができます。
歯科医院専用の高濃度のフッ素が配合されている製品もありますので、お気軽にご相談ください。