歯の本数が寿命と健康におよぼす影響

笑顔で食事する老夫婦

こんにちは。
小田原歯科診療所、院長の伊藤です。

皆さんは「8020(ハチマルニイマル)運動」をご存じですか?
これは、厚生労働省と日本歯科医師会が推進する「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という健康増進運動です。
今回は、歯の本数と寿命の関係、さらに今日から実践できる健康寿命を延ばすためのお口のケアについてご紹介します。

歯の本数と寿命の関係

歯の本数が少ない人は死亡率が最大1.7倍に

「8020運動」で目標とされる「20本」という数字には、科学的な根拠があります。
実際に、65歳以上の日本人2万人以上を対象とした調査によると、残っている歯の本数が少ないほど死亡率が高くなるという結果もあります。具体的には、歯が20本以上残っている人に比べて、10~19本の人は死亡率が約1.3倍、0~9本の人は最大で1.7倍まで高くなっていました。
このように、歯の本数と寿命には深い関係があります。

歯周病と全身疾患の怖い関係

歯を失う最も大きな原因は歯周病です。さらに、歯周病はお口の中だけの問題に留まらず、次のような全身疾患にも関係していることが明らかになっています。

  • 糖尿病の悪化
  • 脳卒中リスクの上昇
  • 心臓病の悪化 など

歯の本数が減ると体の機能も低下する恐れが...

歯の本数が少なくなると、次のようなリスクが高くなるなど、健康寿命にも影響をおよぼします。

  • 転倒しやすくなる
  • 認知症になるリスクが高くなる
  • 介護が必要になる可能性が増える など

食事への影響と生活の質

歯の本数は、毎日の食生活や食べられる物に大きく影響します。
歯には食べ物を、前歯で「噛み切る」、犬歯で「切り裂く」、奥歯で「すりつぶす」といった役割があります。
20本以上の歯があれば、「繊維質が多いステーキ」や「弾力のあるイカの刺身」、「かたいおせんべい」など、さまざまな食べ物をしっかり噛んで楽しむことができます。
一方、歯が5本以下になると噛む力が大幅に低下し、バナナやうどんなどやわらかい物に偏りやすくなり、栄養バランスも崩れがちです。
このように、歯の健康を保つことは、元気に暮らすために大切です。

健康寿命を延ばす歯のケア方法

丁寧なセルフケアで歯を守ろう

歯を健康に保つためには、毎日の丁寧な歯みがきに加え、歯間ブラシやデンタルフロスなどを使って、歯の汚れをきちんと落とすことが大切です。

定期検診の重要性

多くの方は、歯に痛みを感じるまで歯医者を受診しない傾向があります。そのため、受診する頃には虫歯や歯周病がすでに進行していて、治療が複雑になり、時間もかかってしまうことがよくあります。そのため、定期的に歯科検診を受けて、虫歯や歯周病を早めに見つけて治療・予防することが重要です。

失った歯を補う治療

すでに歯を失った場合でも、入れ歯やインプラントなどの治療によって、再び噛む機能を取り戻すことができます。ただし、歯が抜けた状態を長期間そのままにしておくと、残っている歯に大きな負担がかかり、さらに他の歯まで失ってしまうリスクが高まります。そのため、歯を失った際は、できるだけ早く歯医者を受診しましょう。

まとめ

歯の本数は、健康寿命に大きく影響します。
当院では、虫歯や歯周病の治療や予防はもちろん、患者さん一人ひとりに合ったセルフケアのアドバイスも行なっています。また、歯を失ってしまった方には入れ歯などの治療を通して、快適に生活できるようサポートしいています。
まずは歯科検診を受けて、ご自身のお口の状態をチェックしてみませんか?

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