つらいお口の渇き、それはドライマウスかも?原因と対策を解説

こんにちは。
小田原歯科診療所、院長の伊藤です。
皆さんはこんな症状でお困りではありませんか?
- お口が渇いて話しにくい
- 夜中に喉の渇きで目が覚める
- お口や喉が渇く
- お口の中がネバネバする
- 水がないと食べ物を飲み込みにくい
- 舌がヒリヒリする
これらの症状は「ドライマウス(口腔乾燥症)」のサインかもしれません。
今回は、ドライマウスの原因や症状、日常生活でできるケアの方法、そして歯医者で受けられる治療法についてご紹介します。
ドライマウスとは?口の渇きの正体
ドライマウス(口腔乾燥症)とは、さまざまな原因によって唾液の分泌が減少し、お口の中が乾燥する状態のことです。
ドライマウスの原因とは?
ドライマウスの原因は、主に次の3つに分類されます。
- 唾液腺自体の問題によるもの(例:加齢や特定の病気)
- ストレスや薬の副作用によるもの(例:抗うつ薬、降圧薬、アレルギー薬)
- 全身の病気や体調の変化によるもの(例:糖尿病、腎障害、更年期障害、脱水、貧血など)
放置するとお口のトラブルの原因に!ドライマウスのリスク
唾液はお口の中を潤すだけでなく、細菌の繁殖を抑える、食べ物を飲み込みやすくするなど、重要な役割を担っています。
ドライマウスになると、これらの機能が低下し、お口の環境が悪化してさまざまなトラブルが起こります。
- 虫歯や歯周病のリスク増加
唾液にはお口の中を清潔に保つ働きや、歯を強くする働きがあります。唾液の分泌が減ることで、これらの働きが弱まり、虫歯や歯周病になりやすくなります。 - 誤嚥性肺炎のリスク増加
加齢や病気などの理由で食べ物を飲み込みにくくなると、誤って気管に入ってしまう「誤嚥」が増えます。これにより、お口の中の細菌が気管を通じて肺に入る「誤嚥性肺炎」を引き起こすリスクが高まります。
特に高齢者や免疫力が低下している方は注意が必要です。 - 口臭の悪化
細菌が増殖して口臭が強くなります。 - 味覚障害
舌の表面が乾燥することで、味を感じにくくなります。
ドライマウスを改善するために!ご自身でできるケア
ドライマウスは、日常生活でちょっとした工夫をすることで、症状の改善が期待できます。これからご紹介する方法をぜひ毎日の生活に取り入れてみましょう。
ただし、これらの方法を試しても症状が改善しない場合は、歯医者を受診することをおすすめします。
- よく噛んで食べる
よく噛むことで唾液の分泌が促進されます。 - シュガーレスの飴やガムを選ぶ
シュガーレスの飴やガムを噛むことで唾液の分泌が促されます。ただし、砂糖が含まれている飴やガムは虫歯の原因となることがあるため、控えましょう。 - こまめに水分を補給する
こまめに水分を補給することで、お口の乾燥を防ぎ、唾液の分泌を促すことができます。 - アルコールやカフェインの摂取を控える
アルコールやカフェインには利尿作用があり、体内の水分が失われやすくなります。そのため、これらを含む飲み物の摂取量には注意しましょう。
歯医者で受けられるドライマウスの治療
ドライマウスは、単なるお口の渇きではありません。虫歯や歯周病、口臭、さらには誤嚥性肺炎のリスクを高めることがあります。
お口の渇きが気になる方は、歯医者で専門的な検査を受けましょう。
当院では、お口の状態チェックや唾液の分泌を促すアドバイスを行なっています。また、お薬の副作用が原因となっている場合もあるため、ご来院の際は、お薬手帳をご持参ください。
治療には、人工唾液や保湿ジェルを使用する対症療法、唾液腺マッサージによる分泌促進、さらに食事や生活習慣の改善アドバイスなどがあります。これらを組み合わせて、ドライマウスの症状の改善を目指しましょう。